色の法則なんか紋章学で十分だし

これは色にはいくつか法則があって、この色とこの色の組み合わせは目に刺激が強いからダメ、とか、色のトーンは合わせようといった決まりがあるのだけれど、それを知らないと色の法律を犯してしまって、見ている人に不快感を与えたり、ダサいと言わせてしまうのだビックリマーク

ポイントは中間色をうまく使えるとセンスがよくなる。

http://ameblo.jp/yosswi/entry-10026539596.html

紋章学の彩色ルールさえ押さえていれば、配色に困ることはまず無いです。中間色なんて、抽象的でしかも勉強しなきゃいけない色は必要ありません。
押さえておくべき色は8色。
黄色(金)、白(銀)*1、赤、青、黒、緑、紫、橙です。
この8色のうち、黄色と白を「金属色」 赤、青、黒、緑、紫、橙の6色を「原色」と呼びます。

紋章学の彩色ルールは極めてシンプルで、金属色の上に原色、あるいは原色の上に金属色を配置すると言うものです。
黄色のバックに黒や、赤のバックに白などです。逆に彩色のルール違反となるのが、金属色の上に金属色。そして原色の上に原色です。赤+黒や白+黄色は彩色違反となり、紋章とは認められません。

もともと、紋章と言うものは、戦場において、遠目に見ても誰かわかるようにと考案されたものです。ヘルメットの狭く、暗い視界から見てもすぐに判る配色にする必要がありました。

判りやすい配色は大体「センスがいい」といわれる傾向に有るので、紋章学による配色デザインはセンスがいいとしてもいいと思います*2…が、少しこじつけに無理が有るので、いくつかデザインの実例を…

例えば、道路交通標識。
追い越し禁止のマークは白地に赤のサークルと斜線。そして、青の矢印が二本です。彩色ルールに違反していません。
工事中のマーク。黄色の下地に黒で工事のおじさんが描かれています。こちらも彩色ルールに違反していません。
高速道路の出口やサービスエリアの案内。緑の下地に白で文字が書かれています。

たくさんありますが、道路交通標識で紋章学の彩色ルールから違反した配色は基本的にありません。*3
参考:http://www.seito-g.co.jp/hyoushiki/index.htm

一度紋章学に触れると、駅で、看板で、チラシで… 日常のありとあらゆる場所で、紋章学の彩色のルールやレイアウトのルールに則ったデザインを見かけます。*4デザイナーがそれを意図したか否かは別ですが、このデザインいいな、と思うものの大半に紋章学のルールがこっそり隠れています。紋章学さえ押さえておけば、そうそう配色で外すことは無いと思われます。

詳しいルールや伝統については西洋の紋章とデザインが詳しいので、一度手にとって見てください。

西洋の紋章とデザイン

西洋の紋章とデザイン

*1:もともと、紋章は盾に描かれたので、黄色と白は金属色の代用です。

*2:ブクマコメントでid:lstyさんよりトンデモの指摘を頂戴したので修正しました。強引ですみません。原文:「判りやすい配色であると言うことは、人体に好ましい配色である、と言うことです。人体に好ましいものは大体「センスがいい」といわれる傾向に有るので、紋章学による配色デザインはセンスがいいとしてもいいと思います」

*3:信号機ありは彩色違反ですが、信号を表すための苦肉の策でしょう。例外として許容される可能性はあります。

*4:缶ビールのデザインなんかはその典型ですね。ドロップシャドウも紋章学のルールに則っているものが多いです。